偽装人生論 (исполнитель: Rokugen Alice)
生きた年の数で人生を語る男がいる 先に生まれてというだけで他人(ひと)を見下す男がいる 男の話を聞くといつも同じ事を言っている 何だか中身の薄い人生を語っているようだ 男をよく観ているといつも同じ様な人といる 弱者を選んでまた“かくあるべき”を語っているようだ 何も無い、ただ何も無いという事 その事実だけが虚しく“有る”と語る 男は逃げ続ける人生を送って来た 逃げ始めたその日から時計の針は進む事を止めた いつしか自分が置き去りのままであるという事も気付かず 中身の薄い人生を高らかに語って 男の話をただ黙って聞いてくれる人に守られ 自分の耳に優しい言葉だけを都合よく信じている 失う事を恐れて踏み出せない 時計の針はまだ動き出せずにいる 明日も誰かの背中を見送って 背を向けてままで見なかった事にして